ユニオンケミカー株式会社

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ユニオンケミカーが目指すもの

ひらめきと技術力の調合

「技術とは、人々にとって役立つものでなければならない」と考え、ユニオンケミカーは、身近なオフィスや家庭だけでなく、物流、発券、特殊印刷など多くのシーンで、ステーショナリーやデジタル情報と人とのインターフェイスにその独自の技術を活かした製品を提供すべく、新技術の開発に日々取り組んでいます。
デジタル技術の発達により、21世紀は大量印刷からオンデマンド印刷への移行と、オンデマンドの大量印刷処理という融合が進みます。それに伴い、プリンタサプライの開発・製造に長年携わってきた当社への市場の要望も高まってきています。

「ひらめき」を技術で「もの」に仕上げる・・・これこそが当社の開発の根本です。 ユニオンケミカーは、ブレンド、ディスパージョン、コーティング、インカセットのコア技術を活かし、時代の進歩に調和してこれからも進化し続けます。

ブレンド技術(インク調合)

広がる製品用途・・・ 無数の配合を駆使してニーズに応える

一言で「インキ」といっても、色剤・樹脂・界面活性剤など原料の組合せは用途によって様々。
当社には、プリンタに使われるサーマルリボンやインクジェットインクから、修正テープ、粘着剤まで幅広いブレンド技術があります。
しかも今は用途自体がどんどんと広がっており、常にお客様のニーズに応えようと努める姿勢が、さらに当社の技術やノウハウを高め続けています。

例えばインクジェットインクの場合・・・

インクジェット印刷の対象物は、今や紙だけでなくプラスチックや食品など多種多様。当社は様々な製品を手がけたり、顧客の高い要望に応えるために色剤や溶媒など無数の組合せで配合し、その原液の粒子分散処理ではナノ単位で微調整して特殊インキを生み出します。
特に可食性インクジェットインクは、食品衛生法で許可されている食品添加物の原材料のみ(印刷対象によっては医薬品グレードの原材料)を使って、インクジェットでの安定した吐出、発色性、乾燥性、耐湿性などの要求項目を満たすインクの開発を進めています。

ブレンド技術01

調合量を確認しながら顔料などを投入

ブレンド技術02

攪拌してインクを作成

ブレンド技術03

粒径の違いも考慮して調合

ブレンド技術04

可食性インクは食品添加物のみで調合

ブレンド技術05

ラテの泡など対象物に最適なインクを設計

コーティング技術(塗工)

薄く、時には重ねて・・・ 多様なコーティング技術の匠

調合インキをフィルムなどの表面に薄く均一に塗るのがこの技術。実はサーマルリボンも修正テープも、この工程を経て製品化されます。
当社では多様なコーティングマシンを揃え、インキを重ね塗りしたり、表面に保護膜をつけるなど複雑なコーティングに対応。ミクロン単位の薄膜コーティングにも自信を持っています。また、基材フィルムにもこだわり、細かな要求品質に応えるべく日々研究を行っています。

例えばサーマルリボンの場合・・・

当社の主力製品であるサーマルリボンは耐熱や耐薬品、耐洗濯、こすれ(引っかき)に強いなど様々な特性を持っています。カードやタグ、ラベル印刷、パッケージへの日付印刷などニーズは広がる一方ですが、この技術は日本で生まれて現在も日本企業が世界をリードしています。
当社もサーマルリボンのパイオニアとして、この技術の発展の一翼をになっているとの自負があります。

コーティング技術01

修正用インクをコーティングマシンで塗工

コーティング技術02

熱転写リボンをマシンでコーティング

コーティング技術03

コーティングし、塗面を確認

スリッティング技術

ミリ単位の高い精度を実現する、熟練のエンジニアたち

どんなに優れたブレンド技術やコーティングを行っても、それを正確にスリッティングする(切る)技術がなければ製品化は望めません。しかも、紙より薄くて破れやすい特殊なコーティングをした製品を、ミリ単位の幅で切る精度が必要となります。
当社は化学メーカーですが、高精度のスリッター(機械)の動きを微調整したり、ときには機械の改良まで行うスペシャリストが揃っています。

例えば修正テープの場合・・・

実は、1990年には修正テープを発売しており、「修正テープ」の歴史は当社開発の歴史でもあります。当時は1 年以上かけて、インクが薄く塗られたテープを最細 2,5mm幅 にスリットしながら、10m以上もの長さを最適な強さで巻き取る技術を実現しました。
近年は、極細ペンでも削れない強さ、小型化へ対応できる薄さなど求めらる要求も高まっていますが、今もそのスリット技術がテープの品質を支えています。

スリッティング技術01

サーマルリボンのスリット

スリッティング技術02

スリットしながらコアに巻き取る

スリッティング技術03

修正テープの部品にセットして容器へ

分析・評価技術

独自の評価項目は数百に及ぶ・・・ 妥協のない品質評価

企業の社会的に責任が大きく問われる今、メーカーの品質保証体系の確立は重要課題と言えます。
当社は、全てのアイテムで常に品質の向上に努めています。様々な問題に突き当たり、その度に加えた独自の評価項目は数百件にも達し、他社製品の分析も行いながらノウハウを蓄積。テスト用のコーティングマシンまで揃えて万全の体制をつくっています。

例えばインクジェットインクの場合・・・

当社は、独自の技術で昇華転写、可食、UV、テキスタイル用途などのインクジェットインクを開発。ユーザーの求める発色性、耐久性、高速印刷適性などを確認しながら、10項目以上の評価と保存安定性など多くの試験を複数の環境下で行い、他社品の物性とも比較しながら、厳しい審査をクリアしたものだけを製品化しています。
このような徹底した評価と品質管理が高品質のインクを生み、インク業界で高い知名度を誇っています。

分析・評価01

リボンの透過濃度を測定

分析・評価02

マイクロスコープで印刷評価

分析・評価03

インクの表面張力を測定

ハウジングデザイン・機構設計

消費者の声を反映した自社製品が、高い評価を呼ぶ

ブレンド/コーティング/スリッティングの 3 つの技術と、確かな評価・分析体制を併せ持つのが当社の強み。その上、カセット入りインクリボンや修正テープなどでは外観デザインから内部の機構設計まで全て独自で行い製品開発しています。
他社品の分析や市場調査だけでなく、今までにない新市場を開拓すべくアイデアを出し合い、ユーザーの意見を反映させながら画期的な製品を考案し、市場に送り出しています。

例えば修正テープの場合・・・

当社は3Dプリンタを活用するなど機構設計を得意とするスタッフも抱え、押しても引いても使える機構、転写しやすい先端部の設計、長尺化や小型化への対応など、常に"進化"を目指して開発してきました。
また多数の自社製品を販売することで、エンドユーザーの直の要望や意見を収集・分析し、製品開発に活かしていることが、OEM を請け負う際にもクライアントからの高い信頼や安心を得ることにつながっているのです。

ハウジングデザイン・機構設計01

3Dプロッターで部品を試作

ハウジングデザイン・機構設計02

仕上がり寸法の確認

ハウジングデザイン・機構設計03

3D CADで設計